ヤングチャンピオン(秋田書店)の全てに迫る。
ヤングチャンピオンの秋田書店と聞けば、サラリーマンにとっては通勤のお伴、昼休みの憩い、週末の暇つぶしとして欠かせない。1948年8月に創業した秋田書店のドル箱コミック誌の一つだ。もともとは児童書の制作をしていた秋田書店だけれど、ヤングチャンピオンに至る道筋の中で、多くのコミック誌を生み出してきた。ヤングチャンピオンにとっての曽祖父とも言うべき少年少女冒険王が創刊されたのが1949年。ヤングチャンピオンの現代と違って、世はまだ戦後の真っ只中であった。そんな中でも秋田書店はヤングチャンピオンの前進を生み出したのである。結果的にヤングチャンピオンに繋がるこの判断は、その後の秋田書店の成長を大きく後押しする事になる。次のエポックメークまでしばらくの時間を要するけれど、1969にはヤングチャンピオンの父たる少年習慣漫画誌がついに刊行される事となる。少年五大誌の一角とされる少年チャンピオンである。
ヤングチャンピオンの爆発は、少年少女冒険王、少年チャンピオンの基礎の上に成り立っている。ヤングチャンピオンならではの企画も、他の秋田書店の人気誌がそれぞれの分野をしっかりカバーしているからこそ実現できるのだ。ヤングチャンピオンは漫画誌だから、漫画が面白いのは当たり前だけれど、グラビアも見逃せない。主要購読層が20代中盤というヤングチャンピオンでは、このグラビアの出来の良し悪しは大きく購読数を左右するからである。週刊誌のグラビア品質を維持するのは並大抵の事ではない。ヤングチャンピオンも例外ではないのだ。ヤングチャンピオンのグラビアモデルは、単に可愛ければいいというものではなく、その時々の若者の趣向を見極め、慎重に選定されている。ヤングチャンピオンのグラビア担当は、それこそ夜も眠れないのである。選定から撮影まで毎週必ず続く中で、ヤングチャンピオンがグラビアモデルの質を維持できているのは、そういった努力のたまものなのだ。
ヤングチャンピオンで秋田書店の快進撃は止まりそうに無い。編集部の努力はグラビア部分だけではない。ヤングチャンピオンでは歴戦の漫画家とのコンタクトを密に、年単位で掲載スケジュールを用意しているのは勿論で、その他にも新進の漫画家志望でヤングチャンピオンの紙面を狙う向きは数限りない。そういった候補者の中から、それこそ厳選されたものだけが四半期に一度程度の割合でヤングチャンピオンの紙面にトライできる。しかも、それはヤングチャンピオンの約束でもなんでもなく、アンケートの結果次第でバッサリと切って捨てられるというのが現実なのだ。ヤングチャンピオンのこうした編集方針は、百選に載るような漫画家でも例外ではない。ヤングチャンピオンに掲載を続けたければ、とにかく自己研鑽を続け、時勢を捕らえた人気漫画を描き続けるしか無いのだ。